【京都・自動車登録】一般貨物自動車運送事業許可取得のポイントを徹底解説

一般貨物自動車運送事業とは

一般貨物自動車運送事業は、他人の依頼を受けて有償で貨物を自動車で運送する事業です。この事業を始めるには、国土交通大臣もしくは地方運輸局の許可が必要となります。

一般貨物自動車運送事業は、以下の特徴を持っています。

• 不特定多数の荷主から依頼を受ける
• 運送料金を受け取る
• 自動車を使用して貨物を運送する

この事業は物流業界において重要な役割を果たしており、経済活動を支える重要な基盤となっています。

一般貨物自動車運送事業開始までの流れ

一般貨物自動車運送事業を開始するまでには、いくつかの重要なステップがあります。以下に、主な流れをご紹介します。

1．準備段階

• 必要資金の確保（通常1,500万円～2,500万円程度）
• 営業所・車庫の確保
• 車両の準備
• 運転者の確保（車両台数に応じた人数）
• 運行管理者の確保（最低1名）

2．申請段階

• 申請書類の作成
• 必要書類の収集
• 地方運輸支局への申請書提出

3．審査段階

• 書類審査
• 役員法令試験の受験

4．許可取得段階

• 許可書の交付
• 登録免許税の納付

5．開業準備段階

• 運行管理者・整備管理者選任届の提出
• 運行開始前確認の実施
• 緑ナンバーの取得

6．開業段階

• 運輸開始届の提出
• 運賃料金設定届の提出
• 事業開始

この一連の流れを経て、晴れて一般貨物自動車運送事業者としての活動を開始できます。ただし、各段階で求められる要件や提出書類は複雑で多岐にわたるため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。

車両に関する要件

一般貨物自動車運送事業で使用できる車両には、いくつかの条件があります。以下の点に注意しましょう。

• 営業所ごとに5両以上の事業用自動車を配置すること
• 車両の大きさや構造が輸送する貨物に適していること

営業所や車庫に関する要件

許可取得には、適切な営業所と車庫の確保が必要不可欠です。これらの施設は、事業の安全性と効率性を確保するための重要な要素となります。

• 営業所は適切な規模があり、使用権限を有すること
• 車庫は営業所から原則10km以内（一部地域では20km以内）に位置すること
• 車両間隔50cm以上を確保し、全車両を収容できる広さがあること

運行管理体制の整備

許可取得には、適切な運行管理体制の構築が不可欠です。運行管理体制の整備において、最も重要な役割を担うのが運行管理者です。

• 適切な数の運転者を確保すること
• 運行管理者や整備管理者を選任すること
• 勤務割や乗務割が法令に適合していること

法令遵守体制の構築

法令遵守体制の構築は、一般貨物自動車運送事業を運営するうえで非常に重要です。法令は頻繁に改正されるため、最新の情報を常に把握し、迅速に対応することが求められます。

• 申請者または役員が必要な法令知識を有し、遵守すること
• 社会保険等に加入すること
• 過去の重大な法令違反がないこと

これらの要件を満たすことで、許可取得の可能性が高まります。詳細な基準や必要書類については、所轄の運輸支局や行政書士などの専門家に確認することをおすすめします。

一般貨物自動車運送事業許可取得の必要書類

一般貨物自動車運送事業の許可申請には、適切な書類の作成と提出が不可欠です。申請書類の作成には細心の注意を払い、漏れや誤りがないようにしましょう。

主な必要書類は以下のとおりです。

• 許可申請書
• 事業計画書
• 求積図などの図面や写真
• 不動産の賃貸借契約書、売買契約書、履歴事項証明書など
• 車両の車検証、リース契約書、見積書など
• 残高証明書
• 幅員証明書
• 法人の定款、登記事項証明書、決算書
• 欠格事由に該当しない旨の誓約書

申請書類の作成にあたっては、以下の点に注意しましょう。

• 記入漏れや誤記がないか複数回確認する
• 添付書類は最新のものを用意する
• 図面や写真は鮮明で判読しやすいものを使用する
• 記載内容に矛盾がないか確認する

書類作成や提出に不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。適切な書類作成と提出により、スムーズな許可取得につながります。

一般貨物自動車運送事業許可取得後の注意点

一般貨物自動車運送事業の許可を取得した後も、事業者には様々な義務が課せられます。これらの義務を適切に果たすことで、安全で効率的な運送業務を継続的に行うことができます。

まず、許可取得後に最初に行うべきことは「運輸開始届」の提出です。この届出は、実際に事業を開始したことを運輸支局に報告するものです。注意すべき点として、許可取得から1年以内に運輸開始届を提出しないと、せっかく取得した許可が失効してしまいます。

運輸開始届の提出に向けて、以下の準備が必要です。

事務所の整備

• 看板の取り付け
• 運送約款等の掲示
• 料金表の掲示（必要な場合）

車両の準備

• 車体表示の実施
• 緑ナンバーの取り付け

社内規定の整備

• 就業規則の作成（従業員10人以上の場合）
• 賃金規定、服務規程の策定
• 36協定の締結（時間外労働を行う場合）
• 運行管理規定、整備管理規定の作成

各種保険への加入

• 健康保険
• 厚生年金保険
• 労働災害保険
• 雇用保険

運転者の管理

• 適性診断の受診
• 健康診断の実施
• 初任運転者の教育と記録

運輸開始届提出後1ヶ月以降3ヶ月以内の期間内に、適正化事業実施機関による巡回指導が行われます。この巡回指導では、帳簿類の整備状況や申請内容との整合性が確認されます。不備がある場合は行政処分の対象となる可能性があるため、十分な準備が必要です。